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ブックデザインを通じて出会う、素晴らしき世界。-goro’s編-

はじめまして。クリエイティブ事業部でデザイナーをしております大津です。オリジナルテクストに入社する前は出版社で書籍のデザインをしていました。デザイナーになってかれこれ15年の年数が経ちましたが、ここでは私が過去にデザインした書籍やお気に入りの一冊を紹介していきます。

当時はインデザインを使わず、イラストレーターのみで書籍入稿をしていた時代で、振り返って今データを見返してみると膨大な量のページ数のデータを1つ1つ保存して印刷会社に入稿していたという苦い思い出があります…今はインデザインという優秀なツールがあるので、書籍を制作するにもなんともまあ楽になりました。そんな昔、第一冊めにデザインをした思い入れの強い1冊を紹介していこうと思います。

記念すべき第一冊めにデザインした本は「YELLOW EAGLE」

この本は、日本でのインディアンジュエリーの先駆者でもある「goro’s」(ゴローズ)の高橋吾郎氏と親交の深かったHOT BIKE JAPAN編集長(当時)の池田伸さんが執筆をして、ゴローさんの生い立ちや生き様、ものづくりに対する熱い想いを伝える一冊です。2人の関係がとても深いということもあり、あまり知られていないゴローさんの一面や人柄、人生において豊かであるべきことの本当の意味、そういったものを池田伸さん節で語られている一冊です。実際、私もゴローさんのご自宅へ伺いお話を聞いたり、とても貴重な体験をさせていただきました。本当に温かみのある優しいゴローさんはきっと誰からも愛される存在だったに違いありませんし、実際今でもゴローさんの作ったジュエリーは多くのファンから深く愛されています。この本を読み終えた後には、ゴローさんがどこか雲の上の存在の方のような…でもこの本を通していつでも身近な存在に感じられるような…そんな不思議な感覚に陥る一冊です。

本作りをする嬉しさとプレッシャー

当時の私は、大好きなゴローさんの本をデザインするという嬉しさとそれ以上のプレッシャーが大きく、どのようにデザインをすれば売れるのか、そんな戦略を考える余裕などなく(笑)、どうやってゴローさん自身をこの本一冊で表現できるか、という点に着目していました。当時、執筆者、編集者と一緒にゴローさんの自宅へインタビューへお伺いした際に、実際ゴローさんが自宅のアトリエで作業している姿をカメラマンの方と一緒に撮影させてもらいましたが、ものづくりをしているゴローさんの後ろ姿は本当に力強くかっこよく、ジュエリーを作るゴローさんの手には何かが宿っているような、その姿はとても神秘的で、この世で初めて感じる不思議な感情が込み上げてきたのを今でもよく覚えています。

表紙に込めた想い

ゴローさんのシンボルといえば、力強く羽ばたくイーグル。ゴローさんは日本人で初めてインディアンネーム(イエロー・イーグル)を授かった方なので、紙上でイーグルをうまく表現できないか!と考えました。そこでゴローさんのデザインしたイーグルのジュエリーを撮影したものの下に、シルバーと相性の良い革を素材として敷き、photoshopでひたすらレイヤーを重ねて加工し…の作業を続けました。本を広げたときにイーグルが羽ばたくように、本を開いてひらひらと動かすとイーグルが羽ばたいて見えるようなデザインに仕上がりました。本が出来上がってゴローさんが笑顔で「僕のイーグルが本当に飛んでるみたいだね!」と、とても気に入ってくださり、その一言がとても嬉しかったのを思い出します。

私にとって本作りは本の中の主役だったり、執筆者の方たちと意思疎通をし、何か一緒に作り上げるという作業過程が一番良い物を作り上げるし、それがダイレクトに読者に伝わるのではないかな、と考えます。ものづくりの基本はやはり「心」にあるのですね。次回はまた他の書籍紹介していきたいと思っています!